MCRソフトカレンダPaper Machinery
特長
- 信頼性の高い自己加圧式ロールMCRを使用し、加圧アームの無いコンパクトなフレーム
- 振動を効果的に吸収し、バーリングトラブルを解消し、使いやすいカレンダ
- きめ細かな線圧プロファイル制御により、速い応答で効果的なキャリパー制御(追加エネルギーは不要)
- 精密な線圧制御で広い線圧範囲をカバー: 5~350N/mm
- 加熱ロールにはペリフェラルドリルドロール(チルド鋼)を使用:表面温度100℃~200℃
- 充実した安全機構:停電などの緊急時の急速分離機能、弾性カバーの温度監視と端部冷却装置等
MCR(マルチゾーン・コントロール・ロール)の特長
- ピストン(油圧エレメント)を使用した自己加圧式ロール:
- 外部加圧装置は不要で、コンパクトでシンプルな配置となります。
- 各ピストンを独立制御またはゾーン制御:
- PCにて正確な線圧プロファイル制御を行い、局部線圧調節が可能です。
- カレンダに使用して、局部紙厚調節が可能です。
- (電磁誘導加熱のような外部調節装置が不要で、省エネルギー効果が高いです)
- 振動吸収機能を持っています:
- バウンシングやバーリングの振動トラブルを解消します。
- 多数の実績に裏付けられた高信頼の機構
- 広い適用範囲:
- 加圧面長8m、設計速度1,500m/minまで
- 線圧範囲 5~350N/mm(プレス、カレンダ用)
- 100~1500N/mm(シュープレス用)
構造と機能
MCRの構造
MCRは、ニップにより発生する力を支える固定ビーム、ニップ力を発生させるピストン、ニップ力を相手ロールに伝えるロールセルが主要部品です。 ロールセルの両端は、固定ビームに固定されず、加圧方向にスライドできるように支持されています。 ピストンは固定ビームの加圧方向に1列に取付けられ、固定ビームの軸中心に開けられた穴から油圧が供給され、ストロークを持ちセルを加圧方向に移動させることが出来ます。 反加圧方向の固定ビーム両端には、カウンターピストンが取付けられ、ニップ開放と加圧時のロールセル変形量を多くする機能を持っています。 MCRの駆動は、相手ロールの連れ回り、またはギヤー駆動、ベルト駆動にて行います。
自己加圧の仕組み
ビームを通じて供給される加圧油は、ピストンを加圧し、加圧方向にスライドするロールセルを相手ロールに押し付けて、ニップを発生させます。 このとき加圧油の一部は、ピストンのキャピラリチューブを通ってピストン表面に流出して、潤滑油膜を形成します。 このためMCRが加圧されて線圧を発生しているときには、常にセルとピストンの間は潤滑されています。またこのとき、キャピラリチューブを流出する油の粘性抵抗によって、振動を効果的に制動吸収する機能が発生します。 加圧油が止まると、カウンターピストンの力とセル自重によって、セルが移動しニップが開放されます。
マルチゾーン制御
加圧ピストンの列を面長方向にいくつかのゾーンに分割し、ゾーンごとに制御された油圧を送り、ピストンによって相手ロールにロールセルを押し付けて必要なニップを発生させます。 このとき生ずる相手ロールのたわみに合わせてロールセルを変形させ、平坦なニッププロファイルを創るように、各ゾーンの油圧をコンピュータで自動制御します。 この機能を利用して、任意の部分のニップ圧を任意に調節できるようになっています。
MCRの制御
コンピュータにてMCRの最適制御に必要な制御データを作成します。